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2007年08月06日
原爆の火を守り続けた男 NO.289
研修二日目。研修会場を希望荘から菰野町庁舎へと移す。増田副町長から「町政概要」について説明いただたあと、湯の山で観光振興に取り組む「湯の山温泉未来委員会」の皆様と、「地域の思いと官民のふるさとづくり」をテーマに意見交換を行う。「物見遊山の観光から、体験型・長期滞在型の観光へシフトを!」と学んだのは、この間の観光カリスマ・山田氏の講演だったが、「浴衣de湯めぐり」など、正にそういう視点での取組を上手く実践されている。我が「赤目四十八滝」の温泉地も学ぶべき点が多い。
今日は、広島に原爆が落とされた日。宿舎で朝、テレビを見ていると、原爆の火を守り続けた男性の話が紹介されていた。山本達雄さん(故人)。自らも被爆している。爆心地で叔父を訪ねたが一面焼け野原。叔父の家があった場所らしきところ、焼け跡に残る火を形見に持ち帰って、生涯、守り続けた。息子さんにも、その火を守り続ける意味を語らなかったそうだが、没後、その思いの一端が明らかに。当初は、原爆を投下したアメリカを憎み、復讐心を持ち続けるために、その火を守っていたそうだが、いつしか、平和を守る思いに変わっていったそうだ。
山本さんが小学校の子どもたちに、戦争体験を語る貴重な映像が残っている。「今日は、みなさんにお願いに来た。二度と戦争はしない、平和を大切にする思いを守ってほしい、約束してくれますか・・・」(寝起きだったので、多分こんなセリフだったと)と、語る山本さんの姿が印象的だった。ワタシの父もそうだが、この時代を生きた人たちにとって、戦争は、きっと、善だ悪だと簡単に言い切れない、何とも複雑な思いにさせられる代物だと思う。それだけに、何も語らず、原爆の火を守り続けてきた山本さんの思いに、今を生きるわたしたちは、どう応えていけばいいのか。
戦争体験の風化が叫ばれて久しい。戦争体験者は、確実に激減している。そして、今の若者や子どもたちに、言葉では伝えきれない、伝わらない、もどかしさを感じる今日。山本さんが残してくれた火が、伝えきれない何かを伝えてくれる、そんな気がした。
投稿者 boss_blog : 2007年08月06日 23:32