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2008年07月21日
競争率8倍を勝ち抜いて! NO.521
作家、五木寛之さんの講演を聴いてきました。皇學館大学社会福祉学部の名張学舎、開設10周年を記念して催された記念講演で、一般参加で聴講してきました。参加申し込みはハガキによるもので、、競争率が、なんと8倍!その苛酷な闘いを制して、参加券をゲット(参加券にはご当選者様とお印が)、ボスの事務局長、長岡氏と出かけて参りました。
演題は、「いのちの道」。五木さん曰く、今の時代は、人の命にとって危機的な状況、うつの時代に入ったという。格差と貧困。心の病。不安の時代。年間の自殺者が3万人以上。実際には、自殺を試みる人はその10倍、さらに、自殺願望のある人は、そのまた10倍はいるはずと。かけがいのない命、という感覚、実感がない。だから、自分の命も他人の命も簡単に奪えるのだと。
なんとも気が滅入ることの多いこの現代社会では、きれいな優しい心を持っている人ほど、繊細である人ほど、傷つきやすく、病んでしまう。積雪には、柳や竹のような柔らかい枝は耐えるが、硬い枝ほど折れやすい。弱い心よりしっかりとした硬い心の方が、折れやすい。長い心の冬の時代に入った今、うつな気分を抱えながら生きていかなければならないと。
「鬱(うつ)」という漢字の元の意味は、木が勢いよく茂るさまをいい、エネルギッシュな意味を持つのだそうな。だから、鬱を感じる人は、エネルギーがある人で、エネルギーがない人は、鬱を感じない。エネルギー、力のある人ほど、周りを、出口をふさがれ、夢や希望を抑えられると、うつうつたる気分となるのだと。
喜びの感情よりは、悲しみの感情の方が深いもの。悲しみを自らの中に閉じ込めず、嘆くことを知る。なんともうつな気分の時は、自らため息を深くつき、少し心が軽くなれば、また前に進む。萎えた心を抱きながら、強さではなく、しなやかさを持って、今を生きていくのだと。
なかなか、文学的というか、哲学的というか、ワタシの頭脳と感性では、とてもこなしきれませんでした。「暗愁」「愁」「恨(ハン)」「悒(ユウ)」といった言葉も教えていただきましたが、もう一つ、自分の中では消化不良気味。少し、勉強してみます。いずれにしても、大変な時代にワタシたちは生きているのかな・・・。
投稿者 boss_blog : 2008年07月21日 23:28