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2008年08月06日
今のマニフェスト選挙はまちがっている!? NO.530
※四日市大学・竹下譲特別教授の公開集中講義
※長期間のお取り組み、お疲れ様でした。ぜひ、何らかの形で継続してほしいと思います。
四日市大学の竹下譲特別教授の公開講座に参加してきました。「今のマニフェスト選挙はまちがっている。ほんとのマニフェストはこれだ!! 『マニフェスト』を提唱した張本人が、あえて苦言を呈する」と、なかなか刺激的なタイトルに惹かれたのと、竹下教授とは、自治研センターの道州制検討委員会でご一緒させていただいていること、そして、その竹下教授の最後の公開集中講義ということもあり、四日市大学まで出掛けてきました。
公開集中講義自体は、4日・5日・6日の3日間開催され、4日は石田芳弘前犬山市長、5日は岩名秀樹前三重県議会議長が、それぞれゲストとして組まれていましたが、残念ながらワタシは日程の都合上、今日6日のみ、しかも、午後からの「まとめと質疑応答」の時間しか参加できませんでした。それでも、短時間ながら、密度の濃いお話、議論を聴かせていただき、非常に勉強になりました。いきなり、竹下教授より質問をふられたのには、ちょっと参りましたが・・・。
「ほんとのマニフェストは・・・」の部分については、残念ながら、伺った時間帯が遅く、直接お話を聴かせていただくことはできませんでした。ただ、そのことについては、以前、三重県地方自治研究センターでの講演で伺った内容と重なっていたのではと推測しています(昨今のマニフェスト運動は、数値目標や期限、財源のいわゆる3点セットの議論に偏り過ぎている。単に数値や期限が入っていればいいと。しかも、総花的。その自治体にとって何が今最も問題なのか、それを明らかにし、どういう手法、戦略でそれを解決していこうとするのか、方向性・ビジョンを示していくのがマニフェスト。中身の議論がなさすぎるとのご指摘でした)。
今日の講義は、どちらかというと質疑応答の時間で、各地から地方議員の方もたくさん来られていて、竹下教授とのやり取りという格好に。竹下教授からは、「自治体の自立は、(不都合な)今の法体系を崩すことであり、そこにマニフェストの元々の目的がある。しかし、今のマニフェストは形骸化しつつある。住民の意識(改革)が重要であり、そのためには、議会の改革、議員の意識改革が不可欠。行政は法令に縛られており、議会こそが地域にあった解釈に基づき改革が進められる。議会が頑張れば住民は目覚める」とエールを送られましたが、一方、議員の皆さんからは、「議員間討議すら、まだまだ充分に成り立たない、充実にはほど遠い状況」「まだまだ期数(当選回数)がモノを言う世界。自由にモノを言えるような雰囲気ではない」「三重県議会は、期数の大きい議員が改革を先導したから出来たこと。そういう環境にない議会では、若手が改革を望んでも進まない」などの、悩みやジレンマのお話がたくさん出ました。
全国的にも改革先進地として注目を浴び続けてきた三重県議会。その中にいて、ワタシ自身は、まだまだ改革自体が住民意識とは乖離があって、マスターべーションっぽいところがあるなあ、と率直に感じていましたが、こうして、他の議会の皆さんのお声を聞かせてもらうと、いかに、恵まれた環境で議員活動をさせてもらっていることかと、あらためて感じてしまいました。
議員間討議については、活発にならないのは、「議員の勉強不足、資質の問題だ!」「執行部の提案から採決までがあまりにも短い。十分な情報収集ができず、議論にならない!」「議論にならないのは、議会のしくみに問題がある」などの意見が出ましたが、個人的には、三重県議会が積極的に取り組んでいる「参考人招致」などは、実際にやってみて随分、議論の活性化につながっているように思います。議案にしても、請願にしても、直接、請願者や現場の方の声、有識者の意見などを聴かせていただくと、不得手な分野であっても、自分なりに賛成・反対の根拠がはっきりしますし、また、関係者の皆さんが引き続いて傍聴されていると、意見も積極的に発しなくてはならないと意識付けされます。三重県議会の活動も、もっともっと県民に知っていただく必要を感じました。
投稿者 boss_blog : 2008年08月06日 21:27