« ゆめのたね NO.660 | メイン | 終戦記念日です NO.662 »
2009年08月11日
近大高専進出と高校再編問題について NO.661
今朝の新聞に、市内県立3高校のPTA会長が連名で、撤退する皇學館大の跡地に近大高専の進出が検討されていることついて、市内県立3高校の再編統合につながるとの懸念を表明し、市に要望書を提出したと載っています。今年、新年早々に、撤退問題が浮上した時から、この問題については注視をしてきました。
特に、跡地利用に関して、近大高専が話題に上った時点から、亀井市長には、高校再編問題に及ぼす影響は計り知れないものがある旨を伝えてきました。しかしながら、現段階では、公募と、それに続く審査の途上であることも踏まえ、見守る姿勢をキープしてきましたが、先の要望書提出を受け、ワタシの私見を述べておきたいと思います。 ただし、跡地利用の候補者として、有力視はされていますが、確定された段階ではありませんので、あくまでも仮定の議論として受け止めていただきたいと思います。
高校再編問題(単なる再編問題ととらえるのではなく、活性化も重視するため、正確には、高校再編活性化問題と位置づけしていますが)は、少子化による生徒減から、ここ数年にわたり議論をされてきました。地域では、伊賀地域全体で、また伊賀、名張、それぞれで、協議会が設けられ議論が進められてきたところであり、特に、今年度は、伊賀市の職業系3高校(上野工業、上野農業、上野商業の3高校)が統合され、伊賀白鳳高校として新しく誕生しました。名張市内の3高校も、この再編活性化問題の中で、統合再編も含めた今後の在り方について議論が始められているところです。
さて、そんな中、皇學館大の跡地利用にかかわって、近大高専の名張進出(現在は熊野市に所在)の話が浮上しました。市の跡地利用の公募にも正式に手を挙げています。そんな中、ワタシなりに懸念されるいくつかの点について、述べておきたいと思います。
まず、1点目は、関係者の皆さんが苦労に苦労を重ねて、ようやくスタートを切れた伊賀白鳳高校への影響です。カリキュラム(あくまでも現段階。名張進出時には変わる可能性も)の内容的に、似通ったところもあり、地域の子どもたちにとって、入口(地域の中学からの進学、進路指導面)においても、出口(地元企業への就職)においても、かなりバッティングというか、重なる部分が想定され、立ち上がりの段階にある同校への影響が心配されます。
2点目には、市内3高校の再編活性化議論への影響です。現3校をどういう特色化を図り、活性化を図っていくのか、3校から2校への統合議論もある中で、ここ数年、様々な議論を深めてきましたが、前提となる今後の生徒数の推移にも影響を及ぼすことは必至であり、再編活性化の議論自体が振り出しに戻る危惧を持ちます。
3点目には、市からの支援策が、当初だけにとどまらず、拡大していく可能性があること。少子化の中での経営は、今後どの学校においても厳しいことに変わりはなく、現所在地の熊野市と近大高専との交渉経過をみている中では、さらなる財政負担が名張市に課せられる可能性も否定はできません。
以上3点の懸念を持つところですが、一方で、皇學館大の跡地問題は、処理の仕方によっては、維持管理費も含め、多大の費用を負担するリスクを抱えており、跡地の活用が第三者によって図られることが望ましいことは否定するところではありません。よって、単純な反対議論をするつもりは全くありません。ましてや、跡地の利用者を自力で引っ張ってくるような力はございませんから、あまりえらそうなことは言えません。しかしながら、少なくとも、この議論を、跡地の利用者が決まればいい、使ってくれるところがあればこれ幸いという、単純な議論でおさめてほしくないわけです。
市民感情的には、跡地を使ってくれるところがあるなら、いいじゃないか。近大高専ならしっかりしたところだし、子どもたちの選択肢も広がっていい、という声も聞かれます。そのことも否定はいたしません。しかし、そうしたことも含め、地域の高校をどうしていくのか、地域の高等教育をどうしていくのか、地域にとって、あるべき高校の姿はどうなのか、こんな教育の視点での議論を、地域住民の中で十分に行った上で、跡地利用の議論も進められていくことを強く望むところです。また、合わせて、大学や短大といった教育機関のみならず、できれば、他分野も含めた広い範囲で再公募いただくことも望みたい点です(たとえば、長瀬小学校跡へ宅配便会社のコール・センターの誘致が決まったように)。大学施設という特殊な施設で使い勝手は悪いかもしれませんが。
亀井市長にも、この懸念については、7月初めに懇談をさせていただき、お伝えしたところです。また、同時に、先般から地域医療問題でシンポジウムを開催させていただいたように、この問題についても、地域の中で、シンポジウムやパネル・ディスカッション等を開催し、大いに議論させてほしい旨、お話しました。誰が、どういう形で、というのは全く未定ですが、何らかのアクションは起していきたいと考えています。ネガティブな議論になるのではと言う心配もありますが、ワタシはそうでなく、こういう機会にこそ、地域の子どもたちを、地域がどう育てていくかという、ポジティブな議論になることを期待しています。皆さまからも、ご意見がありましたら、ぜひ、お寄せください。
投稿者 boss_blog : 2009年08月11日 13:07
コメント
北川さんが懸念される3点は、全く同感であるし、同時に単純な反対も無責任と考える。市教育行政の幹部も同様の懸念をもっているが、市長の決断は早いとも聞き及ぶ。シンポジウム等が決定後になると、市政に混乱を及ぼす恐れもあり、市長への熟慮の働きかけと早期のシンポ開催を願いたい。とりわけ現在の小学生は、全員に関係する問題だから、できればシンポに子ども代表、難しければ小学校の保護者をお願いしたい。
投稿者 masa : 2009年08月13日 05:54