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2011年07月21日

少々ビビリました・・・ NO.784

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※名張駅西口にて

 台風一過で晴れ間かと思いきや、今朝は小雨の中での朝立ちとなりました。少しビビリましたね、今回の台風6号。どこかの総理のごとく、居座られたら大変なことになるのではと心配しましたが、雨量のわりには、市内で大きな災害もなくすんだようです。ありがたいことです。

 さて、今日は、少し前に調査に出向いた兵庫県の災害対策局での聞き取り(7/12)の内容について報告しておきます。三重県議会では、先に書いたとおり、東日本大震災に関する復旧・復興支援調査特別委員会を設け、三重県の支援のあり方がどうであったか、これからどうあるべきか、を調査しているわけですが、その議論を深めるためには、他県の取り組みがどうなのか、という点が気にかかるところ。鈴木知事のやる気度がマスコミで強調される割には、どちらかというと国の省庁や全国知事会からの要請に基づいて動いているだけで、三重県独自の積極的な取り組みがあまり見えないようです。そこで、先の阪神・淡路大震災の経験から、今回の東日本大震災への支援のあり方が他県とは大きく違うのではと想定し、被災自治体も気になるところではありますが、ここは先にと兵庫県に出向くことにしました。

 災害対策局の山田参事様より、丁寧なご説明をいただきました。まず一番驚いたことは、兵庫県自らが被災自治体に頼ることなく、いち早く現地支援本部を立ち上げていることです(静岡県も同様のアクションをしています)。これだけの大きな災害で、しかも、被災自治体の首長や多くの職員が亡くなったり行方不明になっている状況では、「待っていてはニーズはつかめない」「被災自治体に発信能力がない」と想定し、現地で自分たちの足で被災の状況を確認し、すぐさま何が必要かをつかみ対応する取り組みを行っていました(宮城県、気仙沼市、石巻市、南三陸町の4か所に現地支援本部を設置)。関西広域連合としても同様の動きを行っており、現地では、地元の市町や県より、関西からの応援者の方が頼りになったとの声も。結果としてこうした取り組みが被災自治体からは喜ばれたようです。わたしたちも、こうした取り組みを聞くと、今までの概念、すなわち、「現地の受け入れ体制が整うまでは現地に入らない方がいいのでは」という考え方を改めなくてはと思いました。

 次に、特筆すべきは、関西広域連合が初めて取り組んだ「カウンターパート方式」(対口支援、ペアリング支援とも呼ばれます)です。連合は、いち早く震災翌々日に委員会を開催し、被災三県に対し、連合の構成府県でカウンタパート(対応相手)を決めて支援することとしました。岩手県には、大阪府と和歌山県が、宮城県には兵庫県、徳島県、鳥取県が支援をという具合にです。支援の行き先がバラバラであった三重県とは、この時点で大きな差があります。兵庫県内の市町も同様の方式をとっています。たとえば、姫路市は石巻市へ、尼崎市は気仙沼市へ、といった具合です。阪神・淡路大震災の被災地、西宮市は、さらに独自の取り組みを行っており、高塚市、川西市、猪名川町と兵庫県阪神支援チームをつくり、被災地に近い宮城県栗原市、登米市と連携し、大きなダメージを受けている南三陸町、女川町を総合的に、長期的に支援する仕組みを整えています。こうしたカウンターパート方式をとれば、医療や福祉、消防や警察、行政支援、それぞれの派遣職員が相互に情報交換が容易になり、刻々と変化する被災地のニーズに対し、よりきめ細かな支援が可能となります。こうした取り組みが今後一層進むことでしょう。

 今後の課題として挙げられたのは、やはり被災自治体の職員不足。被災による職員減は否めず、その上、通常業務に加え震災対応業務もこなさなくてはならない状況に、被災自治体からは、市町の応援職員を望んでいます。しかし、一方で、派遣職員をどういう扱いにしていくか、その財政負担も含めて難しい問題もあります。

 こうしたお話をお聞きしていると、最近進んでいる災害時の応援協定をある一定の距離間の自治体同士、複数かわしておくことが重要だと再認識させられます。人口規模や地形等は、出来れば似通っていることが望まれます。条件が近ければ近いほど、支援の際にきめ細かな対応が出来ますし、そこでの支援活動が自らの防災施策や街づくりに反映することができるのではないでしょうか。また、津波が予測される沿岸部の自治体を、内陸部の自治体がサポートする仕組みづくりも大切です。わたしたちが住む、ここ伊賀の地は、そうした意味で重要な後方支援の地域になると言えます。今年度から、県の広域防災拠点の整備が県立上野農業高校の跡地で進められますが、タイムリーな整備となりますね。後方支援と言えば、岩手県遠野市が以前から積極的に取り組まれてきた自治体として注目を浴びています。8月には、委員会で東北に調査に入る予定ですが、是非、お伺いしてきたいと思います。以上、報告まで。

 蛇足ですが、兵庫県からの派遣人員(市町職員や関係機関職員を含む)は、延べ5万8千人でした(7/8現在)。県職員の派遣で特徴的なのは、県庁の局長クラスを送っていること。現地で仕事がさばけ、なおかつ自分のところの県庁も動かせることが必要だからだそうな。このあたりは、三重県の状況をきちんと整理をして比較する必要がありそうです。

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※兵庫県庁災害対策センターにて

投稿者 boss_blog : 2011年07月21日 23:36

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